写真展

写真展「森を抱く」(フォトカノン戸越銀座店)

戸越銀座にある写真店 フォトカノンさんで、個展を開催します。

「森を抱く」

強い雨や焼けつくような日射しに豊かな葉を差し掛け、大地を肥やし、水を湛え、
優しくも厳しくもあろうとせず、生命を育み終末を受け入れる。

いつの頃からか、私は森に憧れ、森を求め、森になりたいとさえ思うようになった。
それは、30代半ばを過ぎた私自身の、“生命を内包する何か”への憧れでもあった。

同世代の友人の多くが母になっていく中、
私自身はどこか取り残されたような気持ちを感じるようになっていた。
同じ頃、病を患い闘病する友人も相次いだ。
当たり前だけれど、誰も自分の命を諦めたりなどしなかった。
一方、私は、自分自身が命に対して何の役割を担っているのかわからず、
そのことに後ろめたさを感じていた。

命を生むこと、育むこと、そして失われること。
豊かな森を望みながら、見知らぬ森を抱いて、私は今もここに生きている。

早苗久美子写真展「森を抱く」 
2017年4月14日(金)〜4月26日(水)
 ※定休日:4月20日(木)
 フォトカノン戸越銀座店 〒142-0041 東京都品川区戸越2-1-3 TEL:03-5498-1641 
OPEN:10:00~20:00(木曜定休) http://www.photokanon.com/

植田華菜子・早苗久美子 二人展「河岸に立つ」(NADAR)

植田華菜子・早苗久美子 二人展「河岸に立つ」 
2015年11月24日(火)〜12月6日(日)
 ※定休日:11月30日(月)
 ※最終日は16時まで
 NADAR(ナダール)〒107-0062 東京都港区南青山3-8-5  TEL:03-3405-0436 
OPEN:12:00~19:00(月曜休) http://nadar.jp/

 

わたしたちは河岸に立ち、写真を撮っている。
河とは、絶えず流れ続ける日常のことである。

撮影者としての自分が存在しているこちら側と、
ファインダーを通して見つめる向こう側の間に、日常という河がある。
その流れのきわに立ち、それぞれの見つめる先はどこか。

植田にとってそれは、対岸である。
手を伸ばしても届かない向こう岸を、憧れと恐れを抱いて見つめている。
一方、早苗が視線を向けるのは、足元の河である。
手を伸ばせば触れられそうなほど近くにいて、
波立ち曖昧にゆらめく流れを見つめている。

身近にある特別でない風景を被写体として選びとることの多い
二人の作品を共に展示することで、それぞれの視点の距離感の違いを表現する。