衝動買い

久しぶりに、衝動買いらしい衝動買いをしてしまった。

買ったのは万年筆とインク。万年筆と言っても、決して高価なものではなく、ごくカジュアルなもの。ふらりと入ったステーショナリーショップで見つけて気に入り、そのまま購入してしまった。

万年筆を持つのは初めてではない。私の初めての万年筆は、高校か大学の入学祝いにと母に買ってもらったもの。私が欲しいとリクエストしたのだけれど、あまり使いこなせないままペン立てに入れっぱなしになっていた記憶がある。その後も何度か万年筆を使ってみようと思うことはあったものの、結局は、いつの間にか便利なボールペンばかり使うようになってしまう。その繰り返し。

何度も挫折しているのに懲りない奴だなぁと自分でも呆れるけれど、これはきっと憧れなのだと思う。文字を書くことへの。つまり、今、私は書きたい気持ちが高まっている。とにかく何かを書きたくて仕方がない。ところが、何を書くかが思いつかない。万年筆を片手にノートを開いては、しばし思案して閉じる。開いては、閉じる。しかし書きたいのだ。書けないのは欲求が満たされない。欲求不満がたまる。仕方なく、その辺にある紙の切れ端にどうでもいい落書きをしてお茶を濁す。まったく私ってやつは…。

でも、まぁ良い。欲求なんて、大抵そんなものだ。万年筆で文字を書くのは好きなのだから、とりあえず日常のメモなどに普通に万年筆を使えば良いのだ。そう、それに、お便りプロジェクトのお手紙にも万年筆を使いたいと思っていたし。

さて、長々と衝動買いのいい訳をしてみたが、これは全くもって自分自身に言い聞かせているだけな気がする。無駄な買い物ではなかったのだと。

いや、無駄でもいい。万年筆にインクを入れる時の幸せがあるだけで、私は充分満足なのだから。