留まれないことを知っている

自由に生きたい
そう言った時のあなたの顔を覚えている。

留まれないことを知っている。
あなたも、わたしも。


ーーーーーーーーーー

「あの坂をのぼれば、海が見える。」
昔から、時々ふとこのフレーズが頭の中に浮かんでくることがあります。教科書に出てきたということは覚えていたのですが、いつ出てきたのか、どのような文章の中にあったのか、誰の書いたものなのか、詳細は全く覚えていませんでした。気になって調べてみたところ、これは、杉みき子さんの「あの坂をのぼれば」という短編の中に繰り返し出てくる言葉でした。とても短い作品ですが、改めて全文を読んでみて、自分がこのフレーズを忘れずにいた理由がわかったような気がしました。私はきっとこれからも、この短い物語を時々思い出してはそっと眺めるのだろうと思います