秋の森で

北八ヶ岳の森に行ってきました。
標高2,000m以上の地点にある白駒の森。
ずっと行ってみたいと思っていた森に、ようやく入ることができました。

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私は森が好きです。心安らぎます。
すっとする森の香りは清々しくて気持ちが良いですし、
樹々の上を渡る風がサワサワと葉を揺らす音も心地よく響き、
その包み込まれるような優しさに身を委ねていたくなります。

けれど同時に、森には怖さもあります。
果てなどないかのように、奥へ奥へと深まっていく森は、
見つめているだけでも、距離感や方向感覚が失われていくような危うさがあります。
急にピタリと風がやみ、しんとした静寂が辺りを包むような時には、
自分自身の存在がとても心許ないものに感じられて、ゾクリとしたり。

そこにずっと佇んでいたいのに、
ふっと迫ってくる恐怖心。
美しい秋の彩りすら、ドキッとする怖さを湛えて見えたり。
こういう感覚を畏怖とか、畏敬というのかもしれません。

落ち着く場所であり、落ち着かない場所でもある。
それが、森です。